米国FDA豊胸用シリコンバッグ解禁

11月17日米FDAは、14年間のMoratorium(使用停止令)を中止し、豊胸用シリコンバッグ解禁(乳癌手術後の再建術および美容目的)の方針を発表した。
豊胸用シリコンバッグ(シリコン製のバッグに、シリコーンを重合させたエラストーマを詰め込んだもの)は1960年代から米国を始めとして全世界で使用されてきたが(その総数は200万件とも500万件ともいわれている)、1970年代からバッグの破裂による大量のエラストーマの体組織内への漏出とそれに伴う醜い乳房変形を伴う異物肉芽腫の形成が問題になり、米国では訴訟が相次ぎさらに、異物肉芽腫は膠原病の発症を誘発するのではないかとの日本発の発表から、騒ぎは大きくなりついに1991年FDAは一旦承認していた豊胸用シリコンバッグのMoratorium(使用停止令)を命令していたものである。
日本においても厚生省は使用を承認していたが米国の動きを見て、業者(高研、その他ダウコーニング等の輸入業者)に自ら申請を取り下げさせあたかも承認そのものが存在しなかったかのごとくに取り繕っていたものである。
FDAは今回の解禁にあたり、その理由と注意事項を次のごとくに述べている。
解禁の理由:

  1. 4万人の豊胸用シリコンバッグ手術を受けた患者を10年間にわたる入念な観察の結果と発表された論文の詳細な検討の結果、心配があるとされた発癌の心配と、膠原病の発症原因にはなんら関係がないとの結論に基づく。
  2. バッグの強度が改善されたことと、詰め込むエラストーマの粘調度が高まり(cohesive)バッグが破裂しても(長年のうちには69%のバッグが破れるとの報告もある)流出し難く異物肉芽腫を作りにくくなっている。

しかし、FDAはバッグ使用の条件として、1.女性の年齢が22歳以上であること、2.豊胸用シリコンバッグは必ず破れることを明記し破れた場合には、除去するか新しいバッグと入れ替える手術が必須であること、3.バッグの破裂の有無を確認するために最初の手術から3年後に必ずMRIの検査を行い、その後2年ごとに検査を繰り返し行うこと、4.術者は前もって講習をうけることという条件をだしている。
米国では年間30万人のシリコンバッグによる豊胸術希望者がいるといわれ、現在許可されている生食バッグよりも感触の良いcohesive silicone bagによる豊胸術がブレイクするものと思われる。
FDA press release

参考資料: